俺の日本舞踊

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清元「卯の花(うのはな)」歌詞と解説

日本舞踊で人気の清元「卯の花」の歌詞と解説です。

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卯の花」解説

卯の花」というと「おから」をイメージしてしまう人が多いと思いますが、これは植物の「卯の花」。正式には「ウツギ」と言います。本州四国九州に広く分布し、春には白く可憐な花を咲かせます。花は「ウツギ」の頭文字をとって「卯の花」と呼ばれるようになり、旧暦の4月を「卯月(うづき)」と呼ぶのは「卯の花が咲く季節」からきているとも言われます。

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さて、この清元「卯の花」は、歳旦浄瑠璃(さいたんじょうるり)と呼ばれるジャンルの曲です。歳旦浄瑠璃とは、年頭に浄瑠璃の一門が集まる弾き初めの会で、家元が発表する祝儀物のことです。優れた曲は後世に弾き継がれ「卯の花」も天保2年(1832年、ちなみに卯の年であった)に作曲されて以来、定番として残っております。

内容は、江戸は深川、向島界隈の四季の風物を詠み込んだ歌詞になっています。この曲の発表された年の恵方が深川の方角だっため題材に選ばれたとされています。

卯の花を雪に見立てて兎を作る、という可愛らしい洒落から始まり、江戸っ子の憧れ「初鰹」。夏は屋根船(小型の船)に乗って天保に流行った「佃節」を口ずさみます。陽気に深川、向島へ芸者遊びへ繰り出すのでしょうか?

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鰹を捌く。

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屋根船。東都名所 両国の涼(歌川国芳

「時鳥〜」からは秋の風情。さらに冬へと移ります。「節季候(せきぞろ)」とは歳末にやってきた物乞いの一種。門付けをして「せきぞろ、せきぞろ」とご陽気に囃し立てる年末の風物です。

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せきぞろ

年が明ければ万歳の才若(芸人)、鼓を鳴らして新春を祝います。

(万歳とは『漫才』の元となったもので、新年、家々に門付けし鼓や扇子を持って祝言や舞を披露する二人組の芸)

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万歳図(葛飾北斎

卯の花」歌詞

卯の花の 雪で兎を作るなら 目にはほどよき花落の 茄子の走りに 浪越えて 高値はまけぬ初がつお 釈迦の誕生指させど 天にも地に もただ一本 一杯飲んだ酒きげん まだあと船や日和下駄 来るか来るかと 川岸へ出て見れば 船は屋根船 佃ぶし オット危ねえ 長箱の

先へ二上りさん橋や 是非に御見と書く文は 筆の鞘町か西川岸か うまい仲町中空に てっぺんかけたと鳴いて行く

時鳥(ほととぎす)過ぎて雨晴れて 千種の花の露しげみ なお光添う秋の夜の

月の影さへ隅田川 いざ言問わん都鳥 あれの枯野と向島 誰が庵崎か琴の音も この頃遠し冬籠り ふりの日脚も節季候の さっさとござれ年の暮
一ト夜明くればおのずから のどけき春の朝ぼらけ 梅に来て鳴く鶯に 初音ゆずりて才若が 千代の小鼓おっとりて 万々歳と祝う寿 久しけれ