俺の日本舞踊

「日本舞踊に関する情報が知りたい!」 このサイトでは日本舞踊を学ぶ人に、初心者向けからベテランの方、子供を習わせている親御様まで、日本舞踊の知識・上達のコツや伝統文化・着物の知識など、知ってて良かった!それが知りたかった!という情報をお届けします。

日本舞踊の発表会を見に来た人が味わう恐怖の三重苦について

今日はちょっと切ない話をあえてしようと思います。それは、日本舞踊の発表会に初めて来た人のわりと大半が味わう恐怖の三重苦「聞きとれない、理解できない、ノれない」についてです。会場によってはここに「足が痺れる」が加わって四重苦になります。苦しみばかり強調しても悲しくなりますので、私なりの解決案も提示しておきます。

1.歌詞が聞きとれない

2.意味が理解できない

3.音楽にノれない

4.解決案「デジタルパンフレット」

5.解決案「ストーリーの事前共有」

6.それでも興味を持って欲しいから

日本舞踊の発表会に知り合いや家族を誘うことがあるでしょう。日本舞踊興味ある!と言ってくれる人もいれば、お付き合いの人もいるでしょうが、まあまあの割合でこれらの苦しみを味わうことになります。それでも日本舞踊を楽しんで欲しいから。興味を持って欲しいから。披露する側の私たちがちゃんとそれを理解し、解決案を考えねばならんと思うわけです。

これでは、一つずつ解決していきます。最後には私なりの解決案もご提案いたしますね。

1.歌詞が聞きとれない

まず、踊りが始まっても歌詞が聞きとれません!長唄、清元、常磐津?違いなんてどうでもいい。わかるように歌ってくれ!

日本舞踊の曲は、語りの部分はまだマシですが謡いは長〜く伸ばして歌われる部分も多いで歌詞を追うのが大変です。増して古い言葉ですから、聞きとれても言葉として入ってきません。最初は頑張って聞こうとしますが頭は「???」。やがて諦めます。そこまで来ると、たまに単語が聞き取れると「やった!聞きとれた!」となりますが、すぐに霧の中に入ってしまいガッカリ。これが最初の「歌詞が聞きとれない」です。

2.意味が理解できない

歌詞がわからなかったらパンフレットがあったよ!これに歌詞が書いてある!でも…古い言葉はわかりません。いや、6割くらいはわかるかな?でもこの単語とこの単語がわからないから結局、大事なところがわかりません!例えば長唄で有名な「松の緑」から最初の歌詞。

「今年より 千たび迎うる 春毎に
なおも深めに 松のみどりか 禿の名ある
二葉の色に 太夫の風 吹き通う
松の位の 外八文字」

これ、なにも知らない人が読むとどんな印象になるでしょうか。

初心者の私「千たび迎うる?迎うるは迎えるってことか。千たび?千の旅?それとも足袋?千回ってこと?多すぎない?春毎?はるまい?普通に読めないんだけど…なおも深めに松の緑か?深めって、なにか沈んでるの?深めのところに何かあるの?禿ってなに?はげ?名あるっていわれても名前はなんなの?二葉の色は葉っぱの色ってことかな。太夫の風?なにそれ?松の位?位ってことは役職かな?外八文字ってなんだよ!

とてつもない数の「?」が頭の中を駆け巡り、単語をつないでなんとなくわかる言葉のイメージだけがぼんやり頭に浮かんでは消え…歌詞が聞きとれずわからないからパンフレットを見たのに、わかったところで理解できないという絶望を味合わせてくれます。

3.音楽にノれない

歌詞の意味とかわかんなくても音楽があるからいい!英語の歌とか意味わかんなくてもカッコいいじゃない!

これは、通用しないのはわかりますよね。邦楽独特のノリにいきなり馴染めるかと言うと普通の人は馴染めません。リズム刻んでないしテンポは揺れるしサビもないし。ダンスはよくわからないけど、音楽だけ聞いて楽しもう。これは無理。音楽に逃げられないのが日本舞踊です。

4.解決案「デジタルパンフレット」

日本舞踊は初見で見て楽しいかと言われると、なかなか難しいものです。ある程度、今の理解を必要とするからです。そこで解決の一助となるのがデジタルのパンフレットです。要は開催当日に配るパンフレットをデジタル化して、来場者に事前に共有しておきます。そこへ演目解説を載せておきます。読まない人は読みませんが、興味がある人は読みますし、そうするとその人については当日、より楽しめることになるでしょう。

5.解説案「ストーリーの事前共有」

こちらも、開催前のアクションです。あらかじめ撮影した稽古風景をスライドショー的な動画にして、デジタルパンフレットとともに来場者に共有します。来場者にとって発表会の出演者は殆どが赤の他人です。しかしお稽古風景など、日本舞踊に一生懸命に取り組む姿をシェアすることで、自分の知り合いだけでなく、ほかの参加者にも親近感がわき、発表会もより楽しむことができます。つまり参加者の「ストーリー」を見せることで興味関心を喚起することができるのです。

こちらに関してはこちらの記事に詳しく書きました。

発表会前に稽古の動画を公開するのがイケてるという話

 6.それでも興味を持って欲しいから

三重苦などという煽った書き方をしましたが、私はたとえお付き合いで仕方なく来た人にも、全然興味がなかった人にも、少しでも「日本舞踊」ってちょっとおもしろいな、と思って帰ってもらいたい。そのためのおぜん立てできることはないか、と考えています。日本舞踊を楽しめる人が、前提として持っている、考え方や知識などを参考に、また面白くないと思う人が、面白くないと思う理由を考えていけば、良いアイデアがあるはです。

また良いアイデア、効果のあった施策がありましたら記事にしていこうと思います。